新人に分かり易い指導をするために、身振り手振りを交えてお手本を披露する方が結構居ると思います。時には大げさなくらいのジェスチャーをする場合があっても不思議ではなくて、新人にIT業務を覚えてもらいたいという切なる想いの表れだと言えるのです。お手本を駆使して新人への指導を終えたときに、まるで日頃のIT業務を再現していたかのような心境になっていることでしょう。ともすればステージで踊っているダンサーになったような気分であったのが察せられます。
新人への指導に熱が入っていたため、これ程までに体を沢山動かしたのは何年振りだろうと思いに耽っていても不思議ではないのです。いかにも、さあハッスルハッスル!という元気いっぱいな心境であったのが容易に想像できます。お手本を披露することで、全人格を表現しているような心持になる方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。自分にもこれだけ自己主張するだけの余地があるのかと舌を巻いているのが感じられるのです。飛躍した言い方をすれば、人格が180度変わったかのようにお手本を披露していたのだと後になってから思い出している方が居そうであります。
お手本の披露は、表現法のひとつとして古くから言い伝えられてきた教育法だと考えられるのです。お手本のほうが言葉にして相手に伝えるよりもよっぽど効果的な意思伝達が可能だと感じている方が少なくないと思います。お手本が貴重なコミュニケーションツールとして、後世にわたって引き継がれていくことが容易に想像できるのです。